昨年は、みなさんは満足に勉強することができましたか?
またあなたのお子様は満足に勉強することが出来たでしょうか?
「できた!」「大丈夫だった」と答える人もいれば、
「勉強し始めたけど、1か月も続かずに挫折してしまった」
「やってはいるようだけれどなかなか思うように続かない」
など、思うように勉強できなかった、
計画通りに取り組めなかったと答える人も多くいるでしょう。
そこで今回は、2022年にあまり勉強できなかった人に向けて、
2023年こそ「勉強できる人」になる方法をズバリお伝えします。
きちんと最後まで読んで実践することで、あなたも今年は「勉強できる人」になれるはず!
お父さんお母さんも、子供が習慣を身につけるために何が必要か、
親には何ができるのかを意識して読んでみてください。
「学習の習慣化の6ステップ」
皆さんは「学習の習慣化」とはどんなことだと思いますか?
実はそもそも「学習の習慣化」というものは「学習行動のサイクル化」と言い換えることが出来ます。
この学習行動のサイクル化には6つのステップがあり、
それが自己肯定感を支える「6つの感情」と密接に関係しています。
そして、ロンドン大学のフィリップ・ラリー博士らの研究によると、
新習慣が身につくまでの平均時間は、66日だそうです。
つまり大体2ヶ月で新しい学習習慣は身につけることができるというわけです。
(逆に言えば学習習慣を身につけるにはこれだけの時間がかかる・必要になるとも言えます)
そこで66日をこの6つのステップに分けると、このようになります。
· ステップ1(0~1日目):自尊感情「自分には価値があると思える感覚」を意識する
· ステップ2(2~8日目):自己受容感「ありのままの自分を認める感覚」を意識する
· ステップ3(9~21日目):自己効力感「自分にはできると思える感覚」を意識する
· ステップ4(22~31日目):自己信頼感「自分を信じられる感覚」を意識する
· ステップ5(32~60日目):自己決定感「自分で決定できるという感覚」を意識する
·
ステップ6(61~66日目):自己有用感
「自分はなにかの役に立っているという感覚」を意識する
もし今年こそ「勉強の習慣化に成功したい!」と思うのであれば、
まずはいま自分がどのステップにいるのかを把握してみましょう。その上で、
最も満たすべき “◯◯感” を意識して勉強に取り組んでみることが大変重要になります。
(お父さんお母さんも子供の学習習慣を助けるために、子供が今どの時期にいて、
そのためにはどのように働きかけることが必要かを考えるようにしましょう。)
「勉強できる人になる」ためにこう過ごそう!
以上をふまえて、「今年こそ勉強を習慣にしたい!」という方に向けて、
「習慣化の6ステップ」に沿ったアクションにはどんなものがあるかを
具体的に書いてみたいと思います。
自分のカレンダーやスケジュール帳と照らし合わせて、
「この時期にはこんなことをしよう」と想像しながら、
または予定表に書き込みながら読み進めてみてくださいね。
お父さんお母さんもぜひこの日付を意識していただくことをお勧めします。
そしてそれぞれの時期にどのような接し方をするのが良いかを
強く意識するようにしてみましょう。
ステップ1(0~1日目)自尊感情を満たす
0~1日目は「なりたい自分をイメージし、
どんな習慣に取り組みたいかを模索する時期」になります。
そのためまずは「勉強習慣が身についている自分」をイメージしましょう。
·
希望する学校への進学が叶うように、
進学に必要な知識について毎日家で15分勉強している。
· 資格試験に合格するために、毎日30分机に向かって勉強している。
この時期には、「自分には価値がある」と思う自尊感情が重要です。
でも、あれこれ考えるうちに
「自分にはできないかも」
「どうせ無理だろうな」などネガティブな感情が湧いてしまうこともあるかもしれません。
そんなときは、「ネガティブにとらえたものをポジティブにとらえ直す」ようにしましょう。
たとえば、以下のような感じです。
· 「自分にはできないかも」→「とりあえずやってみよう」
· 「どうせ無理だろうな」→「なんとかなるだろう」
ポジティブな言葉で自尊感情を満たし、最高のスタートを切りましょう!
手帳などに書き出してみてもいいですね。
もちろんこれはただ自分だけで考えていても、
お父さんやお母さんから否定的な言葉をかけられていては元も子もありません。
お父さんお母さんにもぜひ協力してもらいましょう。
(お父様お母様はぜひこのことを意識して取り組んでください。
基本的には細かく考えずに大らかに前向きに捉えるような声かけをするのがコツです。)
ステップ2(2~8日目)自己受容感を満たす
2~8日目は「現状維持を求める本能が、新しい習慣に反発する時期」です。
そのためこの時期は、
「自分はどうして勉強なんてしているのだろう?」
「いや、自分で勉強を頑張るって決めたじゃないか!」など
自分の考えたことに対する真逆の思いが出てきて、揺れる時期になります。
これは誰しも経験することかもしれません。経験したことがある人は多いと思います。
皆さんもこの時期に挫折したことはないでしょうか?
いわゆる三日ボウスというものですね。
ではこの時期は一体どのように対応したらいいでしょうか?
この時期に一番大事なのは、
こうした思いを受け止めるための
「ありのままの自分を認める自己受容感」を感じ、育てることです。
この自己受容感を養うには、
「自分を必要以上に責めないおおらかさを持つことが鍵」になります。
人間は完璧ではありません。
たとえば、これまで仕事後にテレビを見ていた時間を勉強に充てようとすると、
現状維持を求める本能が働いて「テレビを見たいな……」と思ってしまうものです。
そんなときは、ありのままの自分を認め、
「そんなこともあるよな」とおおらかに受け止めましょう。
逆に「やっぱり自分は勉強に向いていないんだ」などと自分を必要以上に責めてしまうと、
勉強すること自体を諦めてしまうことになりかねないので注意が必要です。
そのため、完璧を求めることのないようにしましょう。
多少できないことがあっても、全て完璧にするのではなく、まずは行ってみることです。
少しでも取り組めていればそれでよし!としてしまいましょう。
(お父さんお母さんも、この時期は「ほらやっぱりできていない」と考えずに、
「まあ誰だってあるさ」と大らかに考えて、あらかじめ決めたことがほんの少しでもできて、
継続しているならそれでよし、としてみましょう。
逆にこの時期に完璧さを求めて「なんでやってないの!」と子供を責めてしまうと、
子供は「どうせ自分は予定がきちんと立てられない」
「自分は本当にできないやつだ」
と劣等感を感じてしまい、せっかく決めた事柄も取り組めなくなってしまいます。
多くの親がこの時期の接し方を間違えてしまいがちです。
確かに色々と言いたいこの時期ではありますが、
この時期の対応の仕方は学習習慣づけをする上で非常に重要です。
決して対応の仕方を間違えないように注意しましょう。)
ステップ3(9~21日目)自己効力感を満たす
9~21日目のこの時期は「油断すると途切れてしまいそうになる習慣を、
なんとか持続させる不安定な時期」になります。
結構自然消滅してしまいやすくなる時期ですね。
ですが、こうしたことは「自分にはできる」という自己効力感があれば
乗り切れるようになります。
この自己効力感を高めるために、「イフ-ゼン プランニング」をすることをお勧めします。
これは、希望の行動を習慣化するために、
「もしXが起きたら、行動Yをする」とあらかじめ決めておく、というものです。
これを決めておくと、「日々のなかで感じる「できた!」が積み重なれば、
「自分にはできる!」と思えるように」なります。
たとえば、正月休み明けで勉強が忙しく、疲れがたまってきたら……。
夜に勉強すると決めていても、「どこかのタイミングで勉強しよう」と漠然と考えているだけでは、結局だらだらと過ごしてしまい勉強できないかもしれません。
そうならないために、「入浴後に髪の毛を乾かしたら、机に向かって勉強する」などと決め、
自分の行動をしやすくしましょう。
その結果、実際に勉強できれば、「自分はできる!」という自己効力感が満たされ、
習慣が途切れづらくなります。
(この時期のお父さんお母さんも子供と同じようにしてみましょう。
そしてお子さんがこれができるようようになっていたら、
すかさず「頑張れているね」と声をかけるようにしてみましょう。
この時期は「自分にはできるんだ、出来ているんだ」と自覚できる声かけ、
働きかけをすることがおすすめです。)
ステップ4(22~31日目)自己信頼感を満たす
習慣化の中盤である22~31日目の時期は、
「無意識のうちに習慣を実践できている日もあれば、しんどく感じる日もある」時期です。
「早めに帰宅できた日は何にも苦もなく勉強できても、
委員会や部活で帰宅が遅くなると勉強するのがつらく感じる」
そうしたことはありませんか?
この時期に大切なのが、「自分を信じられる感覚」である自己信頼感です。
「自分なら大丈夫。勉強を続けられる」と信じて、毎日勉強に臨みましょう。
とはいえ、しんどい気持ちを無視するとかえってストレスを生みます。
結果的に勉強することがストレスになります。
このストレスが重なると、自分を信頼する心も揺らいでしまうものです。
つまり自己信頼感にとってストレスは大敵です。
ですから、勉強を続けると同時にストレスに対処する必要があります。
毎日勉強のことばかりを考えるのでなく、自分を労わることを怠らないようにしましょう。
たとえば、勉強のご褒美として好きなおやつを食べる、週末にゲーム三昧をするなど……。
このようにしてストレスに対処できると、自己信頼感が高まり、しんどく感じる日があっても乗りきれるようになります。
(お父さんお母さんも子供がどういう時期に今差し掛かっているかを考えて、
接するようにしましょう。ストレスと上手に向き合っていくことが、
この後の学習に大きく影響するためです。)
ステップ5(32~60日目)自己決定感を満たす
32~60日目は「習慣が定着し、無意識のうちに取り組めるようになる」時期です。
この頃になると、部活で疲れている日でも、
自然と机に向かって勉強できるようになっているはず。
このステップに深く関わっているのが、自己決定感です。
つまり「『自分で決めた!』という『人生を自分でコントロールできる感覚』」をもつことです。
たとえば、部活後で疲れていても自然と机に向かって勉強できている事実に対して、
以下のように「自分で決めたことなんだ」という認識をもちましょう。
· 「今年こそ資格試験に合格するという目標を自分で決めたな」
· 「毎日30分机に向かって勉強すると自分で決めたんだったな」
このように考えれば、自己決定感が満たされ、さらなる自己肯定感の高まりが期待できるでしょう。
(お父さんお母さんは、もしこの時期にお子さんが自分で取り組めるようになっていなかったら、それ以前のステップがうまくいっていなかったんだなと考え、
今後どのように接する方がいいのかを改めて考えることが必要です。
子供の状況をよく観察し、または話を聞く中で、どの時期なのかを確認しましょう。
必要に応じてステップ3の接し方に戻ることも重要です。)
ステップ6(61~66日目)自己有用感を満たす
いよいよ最終ステップです。
61~66日目以降は、「定着した習慣が求めていた成果をもたらしてくれる収穫の時期」です。
この頃になると、勉強してきた内容によっては、日頃の学習の成果が出て、テスト結果にも日頃の授業もわかるようになり、それまで取り組めなかった資格試験にも挑戦しよう、と思う人も出てきます。
さらにこの時期になると、「自己有用感が満たされ、次に踏み出すエネルギーが得られる」
ようになります。
自己有用感とは自分が役に立てている感覚のことですから、学んだことを他の教科に活かしたり、お友達や後輩など誰かに教えたりして、積極的にアウトプットしてみましょう。
「『ありがとう』という言葉を得られたなら、あなたの自己有用感は一気に高まっていきます」。自分が勉強したことを通じて周囲から感謝される機会がもてれば、「もっと勉強を頑張ろう!」「次はこんな勉強をしてみたい!」などとさらなる意欲が湧いてくるはずですよ。
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勉強を習慣化することができれば、学力が上がるだけでなく、分析力や整理力、説明力が身につくなど、多くのメリットが得られます。
ぜひここに書いたことを実践して、充実した学生生活を過ごしてくださいね。
(お父様お母様はここまでお子様をご覧になると、この子は自分でできるようになったと嬉しく思うことでしょう。
でもここまで見てきてお分かりになったかと思いますが、子供が自分の評価をどのようにするかが、学習の習慣化には大変重要だということです。
そしてそれらはお父様お母様をはじめ、周りの大人たちがこれらを理解して、接していくことが大変重要です。
教室でもこのことを意識して取り組んでいきますが、塾だけでこれらができるようになるわけでは決してありません。
お父様お母様のご協力なしでは決して出来ません。
ぜひご協力の程よろしくお願いいたします。)